著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

「コンテイジョン」考 若い助監督が描いた悪夢のシナリオ

公開日: 更新日:

 やれやれ、コロナが退散しないおかげで読書時間も増えて、いろいろと改めて教えられたよ。得したんだか損したんだか。

 中世のヨーロッパでペスト(黒死病)がはやって、人口の3分の1がバタバタと死んでしまったら、人間どもは「神なんていないんだろ」と疑い始めて、じゃ人生もっと自由気ままにやろうかとなって、エロ小説も書いて、裸婦の絵も描いてとそれが文化の「ルネサンス」を生んだとか。人が大量死して文芸が生まれたとは皮肉なもんだ。イギリスでは、大勢の農民たちが死ぬと広い農地だけが余ってしまい、そこの領主が生き残った農民にどんな作物でも作って羊も飼えばと土地を貸してやり、それで自由資本主義が始まったとも。人手の要る農業より、羊を放牧して毛織物工場に羊毛を売るだけとなると時間も出来たので、平地に穴を掘って球を転がし、「ゴルフ」らしきものを始めたとも。ホンマかいなと思うが、スポーツとはつまり、余暇が生んだ遊びということだろう。

 若い役者たちも疫病のおかげで暇を余している。去年より収入はガタ減りだが、国からまだ給付金の1円ももらえていない。「とっくに申請したのに、あの1人10万円も届きませんわ、クソ政府め!」と怒っていた。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情