可愛げのない前座「顎が上がってて、偉そうだ」と言われた

公開日: 更新日:

 前座として寄席で働き始める際、お囃子の女性に自己紹介すると、「一朝さんのお弟子さんらしい、いい名前ね」とほめられたという。朝左久はどんな前座だったのか。

「よく、『偉そうだ』と言われました。いつも顎が上がってて、『はい』と返事するのも面倒くさそうだし。ただ、失敗しないので師匠連は小言が言えない。寄席が終わると、酒好きの前座仲間と昼夜関係なく、毎日飲んでましたね」

 確かに、可愛げのない前座である。3年半で二つ目に昇進。一之輔と改名した。

「兄弟子が朝之助でしたから、僕は一をもらって一之輔。自分で考えました」

 二つ目時代は、NHK新人演芸コンクールの最優秀賞、国立演芸場主催の花形演芸大賞など、若手落語家を対象にした賞をあらかた取ってしまう。となれば、真打ち昇進の時期が早まるのが業界の慣例で、一之輔にも昇進の話が持ち上がった。入門して11年目のことだ。

「想像もしない早い昇進話でした」  =つづく

(聞き手・吉川潮)

▽春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)本名・川上隼一(かわかみ・としかず)。1978年、千葉県野田市出身。2001年、日大芸術学部卒業後、春風亭一朝に入門。前座名「朝左久」。04年、二つ目に昇進し「一之輔」と改名。12年、真打ち昇進。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」