日本のテレビ局は黒人差別問題にずっと無神経だった
音痴や走るのは苦手という黒人は、白人やアジア系と同じ比率でいるはずなのに、みなリズム感に優れていてダンスがうまい、運動能力が高いかのように描くのも、人種を特異視した偏見の裏返しだ。
NHKの謝罪後、番組に黒人差別や偏見がないか、細心の注意を払うよう指示が出たと、民放の制作ディレクターは話す。
「ブラックミュージックはNGですね。アメリカでは『アフリカン・アメリカン・ミュージック』と言うそうです。過去の映像も再使用するときは、神経を使います。当時はまったく問題にならなかったものも、いまは違う。ガングロギャルなんかはどうなんでしょうかね」
ワイドショーの外国人枠で出演しているコメンテーターも、ほぼ白人系だ。アメリカのテレビ界ではいま、人種が入り交じる「ダイバーシティー」が合言葉になっている。パックン、デーブ・スペクター、モーリー・ロバートソンばかりだと、「日本のテレビ番組は人種的偏りがある」なんて言われかねない。
(コラムニスト・海原かみな)