サザンも山下達郎も参戦 大盛況オンラインライブの銭勘定
“高級店のお好み寿司”
この8月から9月にかけては、さだまさし、中川翔子、矢井田瞳、Official髭男dism、ウルフルズ、鬼束ちひろら有名ミュージシャンが続々とオンラインライブに参戦。8月16日に初のライブストリーミング公演を行う「サカナクション」の山口一郎(39)は、今月1日放送の「新・情報7daysニュースキャスター」(TBS系)のインタビューに出演し、「CDとライブが収入の2大柱だったが、コロナの影響でライブができず、収入が3分の1以下になってしまった」と訴え、ライブスタッフの収入を確保するため、オンライン配信に踏み切ったことを説明した。音楽評論家の富澤一誠氏はこう話す。
「売れてるミュージシャンは何をやってもウケるというのはあるでしょう。サザンなど、ドーム公演だと5万人程度しか集客できないが、それ以上にファンはいるわけだから、オンラインなら50万人集客できるし、それが話題にもなる。しかしそれはミュージシャン全体から見ればごく一部、2割程度にすぎません」
富澤氏は他の8割のミュージシャンの現実は大変だとしてこう続ける。
「他の8割のミュージシャンはキャパ300とか500くらいの小さなライブハウスで日銭を稼いでいるのが現実で、コロナでライブができずに非常に困窮している。一部の売れっ子以外は、ライブでやっていることをただオンラインで配信するだけでは立ち行かないでしょう。当然、臨場感や親密度などは生にはかなわないわけですから、配信ならではのプラスアルファを模索していかざるを得ない。『ライブ』と『オンラインライブ』は“高級店のお好み寿司”に対する“回転寿司”のように、全くの別ジャンルで、似て非なるものなのです」
コロナを克服し、“高級店のお好み寿司”を誰もが心置きなく味わえる日はいつになるのか。