著者のコラム一覧
神田松鯉講談師

昭和17年生まれ。群馬県出身。新劇・松竹歌舞伎などの俳優を経て、昭和45年2代目神田山陽に入門。昭和52年真打ち昇進。平成4年3代目神田松鯉を襲名。令和元年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。

史実を例にしたビジネス講談が大ウケ

公開日: 更新日:

 前回からの続き。ビジネス講談とは実際はどんなものか。

「建設業界からは『安全講談』をやって欲しいと頼まれて創作しました。また、『QC(品質管理)講談』もやった。あちこちから頼まれて全国を回りました」

 今風にいえば、講談を聞きながらコンプライアンスやらリスクマネジメントを学ぶ。

「『QC講談』は戦国武将を例にあげてやりました。豊臣秀吉の『墨俣一夜城』を題材に。織田信長の命令で、佐久間信盛や柴田勝家ら大勢の重臣が築城に失敗しています。ところが、秀吉は『7日のうちに完成させます』と言って見事に成功する。なぜ秀吉は成功したのか? 他の家臣はなぜ失敗したのか? 一つ一つ事例をあげてひもとくとQCの核がみえてくる。『赤穂義士討ち入りにみる安全管理』も作りました。安全の要点は『まさかの発想』と『もしもの発想』との違いというのがテーマ。吉良上野介の失敗は安全意識がなかったからという話にしてね。吉良が『もしも浅野内匠頭(あさのたくみのかみ)が逆上しての俺に斬りかかってきたら?』という心構えでいたら、殿中松の廊下で浅野に斬りつけられることはなかったはずです」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神“強制終了”は「事実上の解任」…体調不良で異例の退任会見ナシなど誰も信じない

  2. 2

    日本ハム優良2助っ人が流出危機…新庄監督まさかの「公開残留要請」、オリ&西武が調査か

  3. 3

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  4. 4

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  5. 5

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  1. 6

    朝ドラ「おむすび」は不評だけど…「3000万」「宙わたる教室」は《やっぱりドラマはNHK》《今期一番》の声

  2. 7

    楽天・田中将大は今や球団の「厄介者」…大幅負け越し&パワハラ関与疑惑に年俸2億円超ダウン

  3. 8

    巨人・岡本和真「メジャー断念」に現実味…“元エースと4番”の同時流出はあり得ない?

  4. 9

    西田敏行「さよならマエストロ」で座りっぱなし満身創痍の演技…薬物使用のデマに悩まされた過去

  5. 10

    楽天・田中将大に囁かれていた「移籍説」…実力も素行も問題視されるレジェンドの哀れ