著者のコラム一覧
井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

アメリカのひび割れを修繕できる真のヒーローはいるのか

公開日: 更新日:

 59年、飼い犬まで口を開いて見たくらいの驚異の高視聴率だった「スーパーマン」役のジョージ・リーブスがスーパーマン以外の仕事がなく、ノイローゼだかでピストル自殺したニュースもしっかり覚えている。まだ7歳だったのに。弾丸より速く、撃たれても不死身な男でも悩んで死ぬんだなぁと一日中、思いつめていた気がする。アメリカの虚構のヒーローが社会の現実も教えてくれた時だった。今、アメリカのひび割れを修繕できる真のヒーローはいるのかな。

 先日、ふらりと寄った古い小さなカフェで奇遇にも、80年代末にビーチ・ボーイズのB・ウィルソンが歌った「LOVE&MERCY」のバラードが聞こえてきて、思わず涙が出てしまった。

「~古びた映画館で頬杖ついて座っていた スクリーンには暴力があふれてる 部屋でテレビニュースを見てた 多くの人が傷ついてボクを恐れさせる バーで人々を眺めてた この孤独な世界にやりきれなくなる 今夜、必要なのは『愛と慈悲』 心からの愛と寛容をあなたとあなたの友人に♪」と歌うこのメッセージソングが今こそアメリカ人に、世界の人々の胸に届けばいいのにと思う。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末