メリー喜多川氏はスキャンダルからタレントを守り抜いた
男性アイドルの出現は週刊誌の世界にも大きな影響を与えた。「明星」「平凡」を筆頭に芸能誌は彼らの特集をすれば売れた。女性誌はそうはいかない。芸能誌にまともに対抗しても勝てるはずもない。
芸能誌が表の顔なら女性誌は裏の顔。スキャンダルにもシフトを敷いた。この動きを排除してきたのがメリー氏だった。
仲良さそうにお茶を飲んでいただけでも「交際」と記事にしていた時代。「よくあんな嘘ばっかり書けるわね」と女優に言われたこともあったが、「有名税」でなんとなく許されていたが、ジャニーズには全く通用しない。フォーリーブスの江木俊夫の女性話だった。写真など決定的な証拠があるわけではない。事務所にあたると「どこにそんな証拠があるの」とメリー氏の話を伝えられ、記事のトーンも抑え気味になることが度々あった。
記事のチェックも細かい。固有名詞の漢字を間違えれば(誤字)、広報を通じて抗議してくる。メリー氏は「こんな単純な間違いをする記事は誰も信じない」という一事が万事の考え方だと思った。