追悼・中村泰士さん 「Gポップス」を熱く語ってくれた!
20日、作曲・作詞家の中村泰士さんが肝臓がんのために亡くなった(享年81)。「喝采」や「北酒場」などのヒット曲を世に送り、歌手としても元気に活動を続けていたが、11月に肝臓がんであることを公表、それから1カ月あまりの突然の訃報である。実は12月に入って連載や取材のお願いをしたばかりだったので正直、絶句した。
中村さんには今年8月に本紙インタビューコラム「私の人生を変えた一曲」でご登場いただいたばかりだった。作曲家になる経緯をうかがえるか、または「喝采」「北酒場」の誕生秘話の話になるのかと思っていたら、内容は意外にも70代になってからの音楽活動、心境の変化だった。
中村さんが衝撃を受けたのは2014年に公開された映画「LIFE!」の音楽を担当したスウェーデン人歌手、ホセ・ゴンザレスだった。映画を見てサウンドトラックでも繰り返し聴いた。
「僕の中で完璧なマイブームになりました。それで気がついたんです。音楽はもっと自由でいいということ。過去に売れた曲があるから、作曲家の先生だからという縛りが解けて、フリーで音楽をやってるおっさんでいいんやと。ホセの音楽を聴いて感動とともに反省もしました」