日テレ生き残りかけ4月開始「ネット同時配信」に局内激震
2021年4月。日本テレビが生き残りをかけ大編成戦略に着手する。地上波テレビ番組をインターネットで同時に放送する「ネット同時配信」の本格運用に取り組むというのだ。すでに日テレを巡っては昨年10月から年内いっぱいという期間限定で“日テレ系ライブ配信”と銘打ちプライムタイムの番組を中心に計32番組の同時配信を実施済みだ。
「試行期間でプライム帯のみならずゴールデン帯、さらには報道&情報番組などのBC帯番組にも手を広げ、同時配信に踏み切る。ゆくゆくは運営に参加していた見逃し配信サービス『TVer』からの離脱をもくろんでいるようです。民放の中で一番の影響力を持つ日テレが『TVer』から離脱するとなると、もはや組織として成り立たなくなる。関係者は戦々恐々としているようです」(事情通)
■広告費が激減
同時配信に関してはNHKがすでに昨年3月から実施済み。今回、日テレが4月からレギュラー同時配信に踏み切れば民放局としては初めての快挙になる。
「日テレは『ネット同時配信』運用に向け1000億円規模の設備費を予算計上した。コロナ禍で広告費が先細る中、ここまで予算を投入する理由は、大きな危機感を持っているからです。若者のテレビ離れは著しい。総務省の2019年度の調査によるとテレビをリアルタイム視聴していない人の割合は10代で38・4%、20代で34・1%。50代の7・2%、60代の6・4%。今後はパソコンとスマホだけです。事実、昨年、国内のテレビ広告費はインターネット広告費に初めて抜かれている。日テレが生き残るためにも同時配信は実施しなければならない。何かやらないとこのまま広告費は落ち込み、局が潰れてしまう」(日テレ関係者)