ユニット「成金」で切磋琢磨 師匠から仲間を大切にしろと
2014年4月、宮治は国立演芸場で、年に4回の独演会を始めた。二つ目になって3年目の若手では異例の挑戦だが、1回目から満員御礼の大入りだった。
「二つ目になりたての僕が、もがき苦しんでる姿を見てもらおうというスタンスがお客さまに受け入れられたのかも知れません。常連客が増えるにつれて、高座と客席の息が合うようになってきたのを感じました」
それは若手の会としては理想的である。会は現在も続いており、先月3日に見に行った。コロナ対策で客席は半分しか入れなかったが、トリで演じた人情噺「ねずみ穴」は見事な出来栄えで、真打ちの芸だった。
「笑うところでは笑い、聞き入るところでは聞き入ってくれます。僕は、いいお客さまに育てられたんだとつくづく思います」
ひょっとして、会を続けた7年の間に、宮治と一緒にお客も成長したのかもしれない。
■若手ユニット「成金」で切磋琢磨
もうひとつ宮治を成長させた会がある。それは落語芸術協会の若手ユニット「成金」である。