「新宿の母」は過去のデータがすべてインプットされていた
同級生はみな同じ干支。話題になるはずもないのは確かだ。こんな単純なことに気がつかなかった。
社会人になって、会社の同僚・先輩は干支は違うのに、血液型ほど話題にならないのは学生時代からの延長かもしれない。当時の占い市場の半分以上を学生と女性が占めていた。学生が見向きもしない干支占いに意味があるのか、そんな疑問が出てきていた。仮に出版しても、学生の間からの口コミは期待できない。学生に関心のない占いをテレビで取り上げることもないだろう。進めるべきか後退かで頭を抱えた。
最終的に編集者から中止が決定された。調べ上げた膨大なデータを前にがっかりする女性たち。それでも「すごく勉強になった。夢中になって調べた時間も有意義でした」とすぐに立ち直ってくれた。
占い師や霊感師の取材はしたことがあるが、初めて占いを研究し、自分なりに学んだこともあった。より多くのデータを集め、いかに分析するかで当たる確率は高くなる。
昔、「新宿の母」と呼ばれ伊勢丹横で占いをしていた故・栗原すみ子さんと取材を通して親交していた。ある日、通りがかりに占いしている栗原氏を横から見ていた。後にこのことを注意された。