玉木宏が熱演! 嫉妬、憎悪、派閥争い…異色の警察ドラマ
さて、第1話の舞台は、2016年の東京。都内の銀行で、一般市民を人質に取った立てこもり強盗事件が発生。刑事部長の千堂は警備部長の権堂に特殊急襲部隊SATの出動を要請したが、権藤と警務部長の吉永がもめている間に、覆面をかぶった犯人は裏口から逃走してしまった。
この大失態で捜査会議は上層部を批判する怒号が飛び交う騒ぎとなったが、上條は隙のない論理でSATを出動させなかった理由を見事に説明した上に、ずば抜けたプロファイリング能力で現場の刑事たちも見抜けなかった犯人特定の手がかりまで提示し、荒れた会議を収拾した。千堂は、そんな上條を捜査の陣頭指揮をとるよう抜擢した。
ところが、そんな「外様派」の動きを冷ややかに眺めていた「東大派」と「薩摩派」のキャリア組は一斉に捜査から手を引いてしまう……と、こんな具合に、のっけから憎悪と権謀術数の大きな渦が巻き、真面目な刑事たちを翻弄する。
「これに比べたら、ウチの会社の派閥争いなんてかわいいものだ」と、ホッと胸を撫で下ろす人も多いのではないか。
▽高橋恵市(フリーライター)山口県出身。大学卒業後、出版社勤務を経てライターに。グルメ紹介や企業広報、テレビ番組批評など幅広く手がける。ペンネームで小説も出版している。