「甘えてもいいけどナメるんじゃない」が口ぐせでした
4月23日は私の師匠、3代目三遊亭円歌の命日なんです。ついこの間の出来事かと思ってましたが、もう4年前の2017年だったと今ウィキペディアで調べてわかりました。
師匠が68歳の時に弟子入りした私は入門してすぐに師匠から「おまえが真打ちになる頃、俺は死んでるから」と言われました。前座修業中は内弟子(住み込み)でしたので朝にあんまり遅くまで起きてこないと「予定よりだいぶ早く……」と心配したものです。まあ死ぬ死ぬ言う人ほど長生きで私の真打ち昇進の時には80歳で元気に口上も高座も務めてくれたんですけどね。
「甘えてもいいけどナメるんじゃない」がうちの師匠の口ぐせでした。落語界の師弟関係はあくまでも弟子が師匠を尊敬し、師匠は弟子に無償で商売の元(芸)を与えてくれる関係。「頼んで弟子になってもらったわけじゃねぇ」と言われるとぐうの音も出ません。親は選べないけど師匠はあまたいる芸人の中から自分で選んだ唯一無二の存在ですからナメるわけないんですが、まだ若く未熟だった当時の私はどこか油断があって、ナメてるように師匠からは見えるときが多かったんでしょうね。