夏木マリ「おかえりモネ」10年前の“悶着”を黙らせる演技力
「カーネーション」とは、言わずと知れた2011年に放送された尾野真千子(39)主演の朝ドラ。<カーネーションの件>とは、最終回まで残り1カ月というタイミングでヒロインを演じる女優が交代した、あの出来事だ。ヒロイン糸子を熱演していた尾野からバトンタッチして、晩年を演じたのが夏木だった。
ドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏がこう言う。
「『カーネーション』は脚本家の渡辺あやさんが描く“糸子”と、尾野さんの演技が見事にハマって独特の世界観をつくり上げました。熱烈なファンが多かったからこそ、ヒロイン交代に<晩年も尾野さんに演じてほしかった><急に交代って違和感しかない>と厳しい声が飛んでしまったのです。何も夏木さんが悪いわけではないのに、『おかえりモネ』の感想に<夏木マリがモネでも出しゃばってる>なんてコメントを書き込む人は確かにいますね」
夏木が「おかえりモネ」で演じるのは町一番の大山主・サヤカ。モネと一緒に暮らし、モネを広い心で見守る役柄だ。
「サヤカはサバサバと明るく、姉御肌のカッコイイ女性。それでいて、どこか謎めいた部分もある。まさに夏木さんにぴったりだと思って見ています。特に5月25日放送の第7話で、モネとモネの父親を少し離れたところから見つめるシーンは、ハッとしました。すべてを大きな心で包み込むような深い優しさを感じられる眼差しで、夏木さんの演技力を見た思いでしたね」(山下真夏氏)