「SWITCHインタビュー 達人達」みうらじゅん×樋口真嗣編で感じた先駆者への深いリスペクト
対談番組の面白さは、人物の組み合わせとテーマで決まる。NHK・Eテレ「SWITCHインタビュー 達人達」では、異なるジャンルが出合う“異種格闘技”が刺激的だが、同好の士が好きなものについて熱く語る“偏愛合戦”もまた楽しい。
先日放送された「みうらじゅん×樋口真嗣」編は、まさにそれだった。何しろテーマが「怪獣」である。みうらは小学生時代、4年間にわたって「怪獣スクラップ帳」を作り続けた。やがて怪獣から仏像へと向かうなど、「スキマをどう面白く見せるか」に邁進する姿勢は今も変わらない。
一方の樋口は特撮現場の「見学者」から始まり、ついには平成版「ガメラ」シリーズで本物の「特技監督」になってしまう。無名だった樋口が、自主制作で「ウルトラマン」を撮っていた大学時代の庵野秀明と出会う話などうれしくなってくる。
そんな樋口と庵野が、「シン・ゴジラ」に続いて取り組んだのが「シン・ウルトラマン」だ。番組の中で、樋口は登場する怪獣として「ネロンガ」と「ガボラ」を挙げていた。電気がエネルギーのネロンガ。ウランが好物で放射能光線が武器のガボラ。旧怪獣たちの進化とウルトラマンとの新たな戦いを早く見たい。
2人の話に好感が持てるのは、そこに円谷英二監督や円谷一監督、脚本家の金城哲夫ら特撮の先駆者たちへの深いリスペクトがあるからだ。