著者のコラム一覧
平野悠「ロフト」創業者

1944年8月10日、東京都生まれ。71年の「烏山ロフト」を皮切りに西荻、荻窪、下北沢、新宿にロフトをオープン。95年に世界初のトークライブ「ロフトプラスワン」を創設した。6月、ピースボート世界一周航海で経験した「身も心も焦がすような恋」(平野氏)を描いた「セルロイドの海」(世界書院)を刊行。作家デビューを果たした。

鈴木慶一さんがプロデュースしたアルバム「マラッカ」の衝撃

公開日: 更新日:

平野 その時代にPANTAさんは「頭脳警察」を解散し、77年に「PANTA&HAL」を結成。79年にロックの名アルバム「マラッカ」をリリースした。日本ロックの金字塔となったそのアルバムのプロデューサーを慶一さんが担当した。

「新宿ロフトにPANTA&HALのライブを見に行って『ほぼサウンドは出来上がっている。相当に練り込まれ、完成している』という印象を持ちました。どこかフュージョンっぽいところもあったし、あとは<甘くせつない感じと洗練されたロックの轟音>もあった。そういった部分を残しながら、サンバやガムラン的なアイデアなどを取り入れて変化をつけました」 

平野 PANTAが80年にリリースした「1980X」のプロデュースも慶一さんが担当。ロックの名盤と呼ぶにふさわしいアルバムを立て続けに世に送り出してくれた。PANTAが「同じレコード会社のピンク・レディーが稼いだ金をスタジオで湯水のように使ってつくった」と言っていたのが印象的だった(笑い)。

「当時は、パンクやテクノやニューウエーブなど新時代の音が芽吹き始めていた。『マラッカ』『1980X』は、70年代と80年代のはざまで起きたロックの変換点が表れているアルバムになった。まさに海峡を通り抜けるタンカー。多角的原油満載だから事故に気をつけながら作りました」(この項つづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メッキ剥がれた石丸旋風…「女こども」発言に批判殺到!選挙中に実像を封印した大手メディアの罪

  2. 2

    一門親方衆が口を揃える大の里の“問題” 「まずは稽古」「そのためにも稽古」「まだまだ足りない稽古」

  3. 3

    都知事選敗北の蓮舫氏が苦しい胸中を吐露 「水に落ちた犬は打て」とばかり叩くテレビ報道の醜悪

  4. 4

    東国原英夫氏は大絶賛から手のひら返し…石丸伸二氏"バッシング"を安芸高田市長時代からの支持者はどう見る?

  5. 5

    都知事選落選の蓮舫氏を「集団いじめ」…TVメディアの執拗なバッシングはいつまで続く

  1. 6

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 7

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  3. 8

    ソフトバンク「格差トレード」断行の真意 高卒ドラ3を放出、29歳育成選手を獲ったワケ

  4. 9

    “卓球の女王”石川佳純をどう育てたのか…父親の公久さん「怒ったことは一度もありません」

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方