奥平大兼(神崎拓斗役)が魅了するナイフのような切れ味の「硬質」演技
奥平大兼(神崎拓斗役)
1月クールのTBS系日曜劇場「御上先生」は、最近の民放ドラマでは珍しい全生徒オーディションが行われた。実力と役柄との相性を重視して選ばれたので、まだそれほど知名度が高くない若手も含まれているが、映画やドラマの関係者の間では次世代の期待株として注目されている俳優も多い。注目の生徒役俳優を1人ずつピックアップして、その実力と魅力を考察・分析する。
ドラマのストーリー上で最重要の生徒とも言っていい役割を担っているのが、隣徳学院3年生で報道部の部長を務める神崎拓斗役の奥平大兼だ。神崎は常盤貴子が演じている冴島悠子の不倫を校内新聞でリークして教師退職に追いやった。現在は御上先生との出会いもあって、かつての自分の行為はジャーナリストをしている父親への反感から生まれた歪んだ正義感だったと自責の念にかられ、冴島と対峙しようとしている。その苦悩の表情を奥平はソリッドなナイフを思わせる切れ味のある演技で表現する。
奥平大兼は2003年9月20日生まれ、東京都出身。
中学1年生のときに渋谷駅の改札でスカウトされ、2020年公開の映画「MOTHER マザー」のオーディションで祖父母を殺害する少年役(シングルマザーの母親役は主演の長澤まさみ)に抜擢され、映画初出演とは思えない存在感のある演技が高く評価された。