著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

銀座の高級クラブ「姫」のマダム・山口洋子の“多面多才”

公開日: 更新日:

 1980~90年代にかけてリーグ優勝13回、日本一8回と黄金時代を迎えたプロ野球西武ライオンズ。所沢の西武球場(現・メットライフドーム)で日本一を決めると、選手やスタッフはまず恒例のビールかけがプリンスホテルで盛大に行われた。その後、2次会に繰り出す。行き先は銀座である。エースの東尾修を団長に、田淵幸一、山崎裕之、大田卓司、永射保、松沼兄弟……。主だった面々が高級クラブに到着すると、ライオンズの法被を着たママがホステスを揃え、準備万端整えて出迎えてくれるのだ。

「いい? 今夜は倒れたら負けのデスマッチだからね!」

 ママの号令で狂宴は始まる。本来この店は午前1時閉店なのだが、ライオンズが日本一になった日は特別に貸し切り、朝まで……昼すぎまで飲み明かす年もあった。当然、ママも一緒に飲むかというと、そうではない。ママが飲んでいるのは炭酸水である。実は下戸なのだ。酔って騒いでいるふりをしながら、実は店内の様子を注視し、ポーターに何くれとなく指示を出している。彼女こそ銀座のクラブ「姫」のオーナーマダム・山口洋子である。「西武ライオンズ私設応援団長」を自任する彼女は、ライオンズが栄冠を手にするたびに、その姿をメディアにさらけ出していた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」