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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

コロナ禍でビールCM激増、出演するのは一流俳優の証し キリンが長谷川博己と染谷将太を起用し話題

公開日: 更新日:

「当時のサッポロは女性に好まれる傾向が強く、男にも飲んでもらいたいと三船に白羽の矢を立てた」(元広告代理店幹部)

「黙って」のコピーだけで三船がグラスに口を付けるシンプルさは新鮮だった。沈黙のCMと呼ばれ、「ビールは黙って飲む」と実践する者もいた。コロナ禍の今ならぴったりだが、今や都市伝説となった名CMのひとつだ。

 三船の起用に他社も黙っていない。対抗すべくアサヒは高倉健を起用した。健さんの代表作「昭和残侠伝」の名ゼリフそのままに「飲んでもらいます」のコピーだった。普段の健さんは下戸だが、男らしい健さんがビールを飲む姿にファンならずともアサヒを飲んだそうだ。

 2000年代にはキリンも健さんをCMに起用。ラフな格好で立つ健さんと「まっすぐで、いいんじゃないですか」のコピーは健さんの生き方ともマッチしていた。ポスターを盗む人も現れる騒動になった。今もポスターはプレミアが付き、高値となっている。

 三船・健さんで火が付いたビール界のCM戦争は今も脈々と受け継がれている。俳優にとっても、それは大作映画ドラマ出演に匹敵するほどワンランク上のCMと認知されている。

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