著者のコラム一覧
細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

飯野矢住代誕生秘話<16>金子ノブアキ、KenKenの異母兄は生きていたら52歳に

公開日: 更新日:

 午後5時半のことである。重い足取りで待合室に医師が現れた。面を上げるジョニーと辰子に医師はこう言った。

「飯野さん、大変お気の毒です。5時19分でした」

「週刊平凡」はこのときのことをこう書き記す。

《だまってうつむいたまま聞いていたジョニィが、こぶしで顔をぬぐった。やがて看護婦が、きれいに洗った死体を抱いてきた。〈24時間も生きられなかったんだなァ〉ジョニィは大きく肩をふるわせてこうつぶやく。矢住代に知らされたのは翌24日である。ベッドに寝たまま矢住代の右手が顔をおおった》(「週刊平凡」1970年1月15日号)

 程なくして2人は亡くなった男児に、ジョニーの本名の信喜と、矢住代の本名の裕代から1字ずつ取って「信裕」と名付け、矢住代の戸籍に入れた。飯野信裕。ジョニーも父親として認知した。すなわち、ジョニーの長男で現在、俳優やドラマーとして活躍する金子ノブアキや、音楽プロデューサー、ベーシストのKenKenには、生きていたら今年で52歳になる異母兄がいたことになる。その事実だけは戸籍に刻んだのだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方