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森暢平成城大学文芸学部教授

元毎日新聞記者。著書に『天皇家の財布』(新潮社)、『近代皇室の社会史』(吉川弘文館)、『皇后四代の歴史──昭憲皇太后から美智子皇后まで』(吉川弘文館、共著)、『「地域」から見える天皇制』(吉田書店、共著)などがある。

眞子さま「複雑性PTSD」公表後のTV局解説委員長の無責任な批判を問う

公開日: 更新日:

 高岡氏は都道府県知事の給与返上が議会で決まることとの対比で、眞子さまの意向で一時金辞退が決まるのはおかしいと主張する。

皇室制度について理解不足

 解説委員長ともあろう人が、皇室制度の基本的なことがわからないまま世論誘導してしまっている。まず日本国憲法を最初から読んだほうがいい。憲法は天皇がご自分の意志を持つことを禁止していない。国事行為は内閣の助言と承認にもとづくと、きちんと明記してある。

 公的行為や私的行為についても天皇・皇族が何かを発意したら、内閣の付属機関たる宮内庁が助言(アドバイス)し、最終的に承認される。天皇・皇族の発意が禁止されているわけではない。天皇・皇族は意思を持つ人間である。税金を払っている「国民」に隷属しているわけでもない。ただ、その意思の実現には、内閣の助言と承認が必要という建てつけになっている。

 以前から一時金の受け取りに批判があることに悩んでいた眞子さまは、宮内庁参与たちに相談し、前職と現職の宮内庁長官とも話し合った。地方議会での同意のプロセスは、この場合、これらの相談である。宮内庁は、内閣法制局にも、杉田和博内閣官房副長官とも相談し、菅義偉首相にも話を通した。そのうえで、受け取り辞退という眞子さまの意向を「承認」し、宮内庁として一時金受け取りは義務ではなく、皇室経済会議を開催しないと決めたのである。

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