ドラマ「日本沈没」の海底調査シーンの描き方はリアル 東大地震研究所の教授も納得
東京大学地震研究所・地震火山情報センター/国際地震・火山研究推進室の木下正高教授に聞いた。
■「日本沈没」で地震研究を志し、過去シリーズを全てチェック
「ドラマの作りは、専門家の見地から見てもリアルだなと思うポイントが多いです。私も実際に海底調査を行ったことがあるのですが、深海に潜って調査している時の映像は、特にリアルですね。あと、田所教授の研究所でたびたび画面に登場するオレンジ色の金属の球のような装置は『海底地震計』といって、実際に海底地震観測で使用されている機器で、東京大学地震研究所のパンフレットにも掲載されています」
ちなみに木下さんは「日本沈没」で地震研究を志すことを決め、過去シリーズも全てチェックしているという。
■「スロースリップ」は日本で最初に発見された
「『日本沈没』は、時代がどんなに変わろうと、災害に立ち向かう人間の姿は普遍的で面白いテーマなんだなと、改めて思いながら楽しく拝見しています。今作で初めて『スロースリップ』という専門用語が出てきて、それがみなさんに興味を持っていただけるきっかけになるのは純粋に嬉しいですね。スロースリップは、普通の地震よりずっと遅いプレートのすベりに伴い発生する現象で20年ほど前に、日本で最初にスロースリップを示す地震波が発見されて以来、世界各地の沈み込み帯で確認され、国際共同研究で進められています。