10.7震度5強の揺れは予兆か…“プレート跳ね上がり巨大地震”の年内列島直撃を専門家が危惧
「とうとう来たか」とギョッとした人も多かったのではないか。首都圏で最大震度5強を記録した7日の地震。これまで50人を上回るケガ人が確認されている。
気象庁の束田地震津波監視課長は「内閣府が想定する首都直下地震より(震源が)深く、規模がマグニチュード5.9と小さい」と語った。確かに、首都直下ではないとみられるが、この地震は最大限の警戒が必要だ。巨大地震の前触れの可能性があるからだ。
今回の地震は太平洋プレートとフィリピン海プレートの境界で起きたとみられる。立命館大教授の高橋学氏(災害リスクマネジメント)が言う。
「現在、太平洋プレートの動きがとても活発で日本列島周辺の他のプレートをグイグイ押している。押されたプレートが耐えきれなくなり、跳ね上がると巨大地震につながりかねません。7日の地震は巨大地震の前に起きるM4~6クラスの前震である可能性があります。実は最近、そのような地震が各地で発生しています。いつ巨大地震が起きてもおかしくありません」
インフラ老朽化で大きな被害に
先月29日に日本海が震源なのに太平洋側の福島が揺れた地震(M6.1、最大震度3)、6日の岩手県沖(M5.9、最大震度5強)、大隅半島東方沖(M5.5、最大震度4)は、いずれもプレートの境界付近で起きている。巨大地震の前兆かもしれない。
M7以上の“プレート跳ね上がり型地震”が陸上で起きれば、震度5強では済まない。沖ならば、大きな津波の懸念もある。
「1960~70年代に整備されたインフラは、更新されずに老朽化したままのケースが少なくありません。崩落した和歌山の水道橋もそのひとつです。巨大地震に見舞われれば、さまざまなインフラで想定以上の大きな被害が生じる可能性があります」(高橋学氏)
7日の地震で震度4を記録した千葉・市原市では養老川にかかる水管橋が破損して水が噴出。
この水管橋は設置から41年が経過しているという。
年末に向けてプレート跳ね上がり型の巨大地震が襲ってくるのか。