五木ひろしの光と影<4>都はるみの前座では「引っ込め!」とヤジられ…
移籍第1弾シングル「俺を泣かせる夜の雨」(作詞・白鳥朝詠/作曲・松山まさる)は自らの作曲で勝負に出たが、これも売れなかった。その後「俺のキッスは嘘じゃない」(作詞・白鳥朝詠/作曲・池よしお)、「波止場のマリー」(作詞・水木かおる/作曲・藤原秀行)と立て続けにリリースするも、売れないどころか、かすりもしなかった。悪いことは重なるもので、この時期、所属事務所は倒産。未払いのギャラは払われず、揚げ句にポリドールとの契約まで切られてしまう。
デビューから3年、19歳になっていた松山少年は、順風満帆なデビューが嘘のように、芸能界の孤児になってしまったのである。(つづく)