初対面の樹木希林さんから「イイ男」と連呼され…今もって最大の謎
まったく意味不明な希林さんの立ち居振る舞いは時間にしておよそ1分あったか? なかったか? ただひたすら納得の満足顔になると会話の一つも交わさず……というか俺の顔を評価しているのに俺の人間としての存在感自体が見えていないくらいの行動で、出現した時と同じ勢いで扉の向こうへ消えて行ったのです。
「?????」あれは一体なんだったのだろう? いや、いつか希林さんに会う機会もあるだろうから、その時に覚えているのか? 覚えていたらなんだったのか? 必ず尋ねようと思っていたのに、ついぞその機会はなく……そして惜しまれながら希林さんは天の上の人となってしまったのである……。
というのが、俺の40年近い芸能界での後悔というか、残念なことであるのだが、まあ、それも樹木希林という不思議なベールに包まれる部分があった女優さんからもらったエピソードのプレゼントと考えれば、悪くないよね~! とも思う今日この頃なのです。
あ! 突然、嵐のごとくといえば、希林さんの夫の内田裕也さんとハワイのワイキキビーチで我々たけし軍団がバッタリ会った途端に「おう! シェケナ軍団! ヨットに乗ってベイビー~!!」と、あれよあれよという間にクルージングに招待されていたというエピソードもあったし……どうやらあそこはご夫婦そろって突然の行動に出るという家訓(?)なのでしょうか? とも思い出をつなぎ合わせてみたりもしたのでした。
そして、最後に自分の口から申すのもなんですが、俺の顔を数センチの至近距離で見ながら「イイ男」と発した希林さん、確かに多くの才能に恵まれても「美的感覚」は皆無だったようです……。 (つづく)