著者のコラム一覧
桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

「THE MANZAI 2021マスターズ」は楽しめたけれど…もっと熱量のある漫才が見たい

公開日: 更新日:

 早いもので師走。今年も泣いても笑っても1カ月を切った。12月は恒例の番組が山のようにあり、それを見ながら新しい年を迎えるというのも一興だろう。

 というわけで、トップバッター、5日「THE MANZAI 2021マスターズ」(フジテレビ系)。「THE MANZAI」はオールスターが一堂に会する漫才の祭典で、言ってみれば、お笑い版「紅白歌合戦」のようなもの。今年もアンタッチャブルサンドウィッチマン、タカアンドトシ、ミルクボーイかまいたち千鳥霜降り明星銀シャリ、ウーマンラッシュアワー、海原やすよともこ、博多華丸・大吉、おぎやはぎ、ナイツ、笑い飯、中川家爆笑問題……人気・実力を兼ね備えた漫才コンビが次々にネタを披露。

 途中、最高顧問ビートたけしによる寸評やMCナインティナインとのやりとりはあるものの、トークなどは一切なく純粋にネタだけで3時間、お笑い好きにはたまらない至福のひとときだ。

 とはいえ、不満がなかったわけではない。まだまだコロナも心配ということか、一応観客を入れてはいたが、密にならないように、間隔を空けてまばらな印象。

 にもかかわらず、笑い声が大音量で入る。要は笑い声をあとで足しているのだが、これが本当に邪魔。ここ笑いどころと指示されているようで大きなお世話だ。

過去に見たネタ、やっつけ仕事はダメ!

 さらにさらに、バラエティーでよく見るコンビの中には忙しくて新ネタを作る時間がないのか、何度も見たことのあるネタだったり、やっつけ仕事のようなネタだったりと、全力で取り組んでないようにお見受けするのがいた。などとあれこれ文句を言いながらも最後まで見たのはやっぱり楽しかったから。昨今、芸人が出演するバラエティーも多いが、芸人同士が雑談したりゲームやクイズをしたり、ロケ番組など本業以外ばかりなので、こんなふうに本業を見せてくれる場があり続けるのはありがたい。

 世に初めて「THE MANZAI」が登場したのは80年。「漫才」を「MANZAI」と表記を変え、若者向けに番組を作ったのは「オレたちひょうきん族」や「笑っていいとも!」の名物プロデューサー横沢彪。

 その第1回から見ているが、出演者はツービート、島田紳助・松本竜介、B&B、ザ・ぼんち、横山やすし・西川きよし、星セント・ルイス、中田カウス・ボタン……。

 舞台の袖にテレビカメラがあって、そこで若手コンビのドッカドッカと受ける漫才を見て、メラメラと闘志を燃やす横山やすしのまなざしが怖かったのを覚えている。1年に1回の笑いの祭典なのだから、全員新ネタをかけるくらい、もっと熱量のある漫才を。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  3. 3

    三浦大知に続き「いきものがかり」もチケット売れないと"告白"…有名アーティストでも厳しい現状

  4. 4

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  2. 7

    広末涼子が危険運転や看護師暴行に及んだ背景か…交通費5万円ケチった経済状況、鳥羽周作氏と破局説も

  3. 8

    松嶋菜々子の“黒歴史”が石橋貴明セクハラ発覚で発掘される不憫…「完全にもらい事故」の二次被害

  4. 9

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  5. 10

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    石橋貴明のセクハラに芸能界のドンが一喝の過去…フジも「みなさんのおかげです」“保毛尾田保毛男”で一緒に悪ノリ

  2. 2

    清原果耶ついにスランプ脱出なるか? 坂口健太郎と“TBS火10”で再タッグ、「おかえりモネ」以来の共演に期待

  3. 3

    だから桑田真澄さんは伝説的な存在だった。PL学園の野球部員は授業中に寝るはずなのに…

  4. 4

    PL学園で僕が直面した壮絶すぎる「鉄の掟」…部屋では常に正座で笑顔も禁止、身も心も休まらず

  5. 5

    「ニュース7」畠山衣美アナに既婚者"略奪不倫"報道…NHKはなぜ不倫スキャンダルが多いのか

  1. 6

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 7

    フジ火9「人事の人見」は大ブーメラン?地上波単独初主演Travis Japan松田元太の“黒歴史”になる恐れ

  3. 8

    ドジャース大谷 今季中の投手復帰は「幻」の気配…ブルペン調整が遅々として進まない本当の理由

  4. 9

    打撃絶不調・坂本勇人を「魚雷バット」が救う? 恩師の巨人元打撃コーチが重症度、治療法を指摘

  5. 10

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した