繁昌亭の厳格なルール「トリは大阪の落語家が落語を演じること」
花詩歌タカラヅカの公演を、現役のタカラジェンヌや演出家が面白がって見にくる。それを目当てにヅカファンが押しかけ、繁昌亭の客席はいつも満席だとか。関東では横浜にぎわい座で定期公演を行っている。
「初めて落語家を見た宝塚ファンが、いっぺん落語を生で聴いてみよか、と思ってくれればいいですし、宝塚を見たことのない落語ファンが、いっぺん本物の宝塚歌劇を見てみよかと思うてくれはるとありがたい。お互いのファンを増やすことにもなります」
宝塚歌劇団からクレームがつくことはないのか。
「そこは落語家の分をわきまえて、繁昌亭とか神戸の喜楽館、にぎわい座くらいの器の会場で公演してる。それと、我々座員一同には何よりも強い宝塚愛がある。だから本家がお目こぼししてくれはるんでしょう」 =つづく
(聞き手・吉川潮)
▽林家染雀(はやしや・そめじゃく)1967年、大阪府八尾生まれ。大阪大学文学部卒業。吉本興業所属。上方落語協会会員。92年、4代目林家染丸に入門。落語家として活躍する一方、落語家の桂あやめと音曲漫才ユニット「姉様キングス」を結成するなど幅広いジャンルで活躍。