「いかに自分の色を出すか。姉様キングスでアホなことを続けながら」
それが高く評価されて、繁昌亭大賞に選ばれ、芸術祭優秀賞も取ってダブル受賞となる。
「遊方さんが、『芸術祭優秀賞までは読めんかった』と言うてました(笑い)」
これからの染雀はどんな落語家を目指すのか。
「音曲噺と芝居噺は染丸の受け売りです。いまだに師匠の呪縛から逃れられないので、そこから脱却して、いかに自分の色を出すかですね。同時に姉様キングスでアホなことを続けながら」
東京でも会を開いて、馴染みのない上方の音曲噺と芝居噺を東京の落語ファンに聴いて欲しいと思うのだが。
「それは考えています。その時は大阪からお囃子さんを連れて行きたい。というのも、東京と大阪では三味線の弾き方ひとつにしても、音色に微妙な違いがあるからです。大阪は文楽の発祥の地やから、義太夫の太棹の影響があるのかも知れません。とにかく、鳴り物からすべて上方風でやりたいと思うてます」
東京で染雀の高座が見られるのを楽しみにしてよう。(おわり)