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吉田隆記者、ジャーナリスト

1984年に写真週刊誌「FRIDAY」の創刊準備メンバーとして専属記者契約を結ぶ。87年の大韓航空機爆破事件では、犯人の金賢姫たちが隠れていたブダペストのアジトを特定、世界的に話題となる。初代「張り込み班チーフ」として、みのもんたや落合博満の不倫現場、市川染五郎(現・松本幸四郎)や石原慎太郎の隠し子、小渕恵三首相のドコモ株疑惑などジャンルを問わずスクープ記者として活躍。

<146>早貴被告が運転するベンツは時速150kmの猛スピードで大阪方面に向かった

公開日: 更新日:

 アプリコでの会合は夕方遅くに終わった。早貴被告が運転するベンツは、野崎幸助さんの自宅脇の駐車場を出てバイパスで北に向かい、途中の南紀田辺ICから高速道路に入って大阪方面にハンドルを向けた。途中で誰かと接触するだろう、と私は推測していたのでハンドルを握る手に力がこもった。

 ただ気になったのは警察の姿がないことだった。行動確認(行確)するチャンスなのに全くその様子をうかがうことはできない。推理小説などでは警察の行確は秘密裏に行われるものとして描かれる場合が多いが、現実はそんなに甘いものではなく、周囲を見ていれば、おかしな動きをする者や不審な車は必ず分かるものだ。

 例えば捜査員が通行人や作業員を装っても、レシーバーにつながったイヤホンを隠すのは至難の業である。フロントウインドーに2つのバックミラーが付いていたら覆面パトカーとみて間違いない。彼女のベンツに発信機を付ければ追跡できるだろうが、これは違法であり、警察がそんな危ない橋を渡るとは思えなかった。警察はもう十分証拠を握っていると考えていたのか、それとも彼女が田辺に来ていることも知らなかったのかは全く分からないが、私には不思議だった。

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