香川照之氏の生謝罪で「不快」なるワードに感じた危うさ 性加害への認識が古いのではないか
4月から毎週月曜朝に福岡のRKBラジオに生出演、音楽や時事ネタについて自由におしゃべりさせてもらっている。今週の放送で一連の「香川照之騒動」について話したら、過去最多の反応があった。ここではさらに煮詰めて語ってみたい。
実はぼくは20年ほど昔に香川さんと会っている。まだ梨園入りする前で、今ほどの人気も知名度もなかった。だが2002年公開の中国映画「鬼が来た!」での演技は凄まじく、単行本化された同映画の撮影日記にも彼の非凡さはみなぎっていた。当時ぼくが出資していた映画製作会社の作品にも、香川さんはいくつか出演した。どれを見直しても彼の演技はカビ臭さを全く感じさせない。
その後の快進撃は誰もが知るところで、なかでもTBS系ドラマ「半沢直樹」で演じた悪役・大和田常務は決定的だった。いま香川照之がこの国を代表する名優のひとりであることは論をまたない。そんな人気俳優が、芸能生活の危機にある。3年前に銀座の高級クラブで行った性加害を報じた新潮砲の余波は、彼の最大の収入源ともいわれる「トヨタイムズ」CM降板におよんだ。