著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

頼朝の背中の代役 小栗旬が大泉洋の歩き方を完コピできた深い理由

公開日: 更新日:

 同番組では「団地の日陰のベランダの下で蟻地獄に蟻を落として楽しんでいるのが小栗旬の本来の本質」だと自己分析している。内気で人見知りだった彼は中学3年のときには、いじめられっ子だった。その反動からか、自分勝手に振る舞いながらも、その人間的な魅力にあらがえないような無頼の俳優に憧れた。

 30歳頃までは、そうなれるように自分を演じ突っ走ったのだという。しかし、本来の自分は違う。彼と共演経験が多い國村隼は「場の空気がどうかなって常に神経を張っている。物凄く気遣いができる役者」(文芸春秋「週刊文春」22年6月16日号)と評す。

 小栗は大河の撮影中、毎日マスクに共演陣へのメッセージや時事ネタなどを描いていた。それは現場の人たちと自然と話を弾ませるためだ。200人近くいるスタッフの顔と名前を全て覚えるという彼は「思いっきりみんなを愛していきたいなとは思っている。共演者、スタッフは家族みたいなものだから」(「プロフェッショナル」=前出)という。

 積極的に話し合うのも「自分ひとりの発想なんてものはこれっぽっちしかないと私は思っているんですよ。みんなで手探りしながら探す作業が俺は好き」(同前)だからだ。番組恒例の「プロフェッショナルとは何?」と聞かれた際も「恩返し」と答えている。

 小栗は常に周りを見て他者のことを考えている。「それがエンターテインメントじゃないですか。だって誰かが求めてるからやるんでしょ」(同前)と事もなげに言うのだ。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    野呂佳代が出るドラマに《ハズレなし》?「エンジェルフライト」古沢良太脚本は“家康”より“アネゴ”がハマる

  3. 3

    岡田有希子さん衝撃の死から38年…所属事務所社長が語っていた「日記風ノートに刻まれた真相」

  4. 4

    「アンメット」のせいで医療ドラマを見る目が厳しい? 二宮和也「ブラックペアン2」も《期待外れ》の声が…

  5. 5

    ロッテ佐々木朗希にまさかの「重症説」…抹消から1カ月音沙汰ナシで飛び交うさまざまな声

  1. 6

    【特別対談】南野陽子×松尾潔(3)亡き岡田有希子との思い出、「秋からも、そばにいて」制作秘話

  2. 7

    「鬼」と化しも憎まれない 村井美樹の生真面目なひたむきさ

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  5. 10

    松本若菜「西園寺さん」既視感満載でも好評なワケ “フジ月9”目黒蓮と松村北斗《旧ジャニがパパ役》対決の行方