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桧山珠美コラムニスト

大阪府大阪市生まれ。出版社、編集プロダクションを経て、フリーライターに。現在はTVコラムニストとして、ラジオ・テレビを中心としたコラムを執筆。放送批評誌「GALAC」に「今月のダラクシー賞」を長期連載中。

「大河ドラマが生まれた日」の精神はどこへ…松本潤「どうする家康」はもはやコメディー

公開日: 更新日:

せめて史実に忠実に作ってほしい

 翻って今年の松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」。毎回驚かされ(悪い意味で)、もう見ていられない。CG多用のやりたい放題で、史実もなにもあったもんじゃない。先々週もまるで紫禁城かのような清洲城に唖然とした。

 先週も、服部半蔵(山田孝之)が小さな鉄の球を落とすと、地下に通じていてそこから音が広がり、仲間が三々五々集まってくるという招集シーンに笑ってしまった。まるでコントみたい。それならそうと最初から「コント大河」「コメディー大河」だと言ってくれればいいものを……。

 家康といえば、たぬきジジイのイメージしかなく、今回は、幼少期からの生涯を詳しく見せてくれると楽しみにしていたのだが。フィクションとはわかっていても、やはり大河ドラマはある程度、史実に基づいて作られるべきだと思う。大河を見て育ったおかげで、日本史の成績がよかったのは数少ない自慢だが、今の子供がこれを見たら混乱するのでは、と心配だ。

 新しい大河を、というチャレンジは正直いって迷惑。ドラマ10など、ほかの枠でやればいいものを。

「どうする家康」関係者一同には、「大河ドラマが生まれた日」を見て、成島の言葉を胸に刻みつけて欲しい。できれば最初から作り直してもらえるとありがたいのだが。

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