寺島しのぶ“異例中の異例”歌舞伎座公演に出演へ 梨園の娘の「一世一代の大舞台」実現の背景
10月の歌舞伎座新開場10周年「錦秋十月大歌舞伎」で「男はつらいよ」の山田洋次監督(91)が演出する「文七元結物語」を上演することを18日、松竹が発表。寺島しのぶ(50)と中村獅童(50)が出演することが明らかになった。
成人女性の歌舞伎座本公演出演は異例中の異例。寺島は、歌舞伎座の舞台に立ちたくても立てなかった梨園の娘たちの悲願をかなえることになる。背景には、団十郎の襲名披露、猿之助騒動があるともっぱら。
「コロナ禍でひいき筋が減り、連日大入りになるはずの団十郎の襲名披露が大コケし、背に腹は代えられない。さらに猿之助の問題が尾を引いているので、皆が驚くほどの“飛び道具”でないと暗い影を払拭できないと、寺島さんに白羽の矢が立ったそうです」(事情通)
寺島は「キネマの神様」(2021年)など山田作品にも出演。「文七元結」が尾上菊五郎の人気演目のひとつで、菊五郎の娘という点からも適任だった。評論家の中川右介氏は「この演目は、山田洋次監督が2007年に演出し、中村勘三郎が新橋演舞場で演じていて、『シネマ歌舞伎』としても公開されています。再演に近い位置づけで、実際に山田さんが演出される可能性は少ないのでは」と言うが……。芸能リポーターの川内天子氏は「世紀の大舞台」としてこう続ける。