ジュリー社長以下、ジャニーズ主要役員は記者会見に総登場して謝罪したらどうか
イヤだなあ、〈安泰だった〉なんて過去形は勘弁してくださいよ! とその場では頓狂な声を上げて笑い話で済ませたが、店を出てからは役員の言葉をずっと反芻していた。
ぼくがジャニーズ性加害問題とその周辺について発言するたび、苛烈な文句がネットを通して投げつけられる。十中八九は匿名で。もう慣れっこだ。興味深いのは、つねに一定の割合を占めるのが「黙れ」「消えろ」「何様だ」「それ以上言うな」といった沈黙を強いるワードであること。
さらにそれらに一定の割合で付随するのが、「しつこくて男らしくない」「ねちねちと女々しいですよ」といった、古くさく偏ったジェンダー観を隠そうともしないアウトな表現。目にするごとに、被害者たちが長年声を上げることができなかった要因のひとつは、人権意識が乏しい時代(今もか)に蔓延していた同性愛軽視だと思い当たる。性被害を告白しないことで、自らの身を悪質な二次被害から守ってきた少年たち。その心中を思うと胸が痛む。一次加害と二次加害の大きな違いのひとつは、後者には自覚を伴わぬ場合が多いこと。心に刻んでいつも意識的でいたい。