山川健一さんが語る 鮎川誠&シーナ夫妻とストーンズを演った思い出のスナップ
私自身でいることがロックするってこと
鮎川さんではありませんが、3歳上のパンタさんとも僕は親しく、ライブに出てくれたり食事したりの仲でした。そのパンタさんも7月に亡くなってしまった。学生時代のダチみたいな仲だった鮎川さんとパンタさんが続けて逝ってしまい、立ち直れないですよ。
2人とも最期までライブを演り、死ぬまでロックしました。以前、鮎川さんに言われた一言をまだ覚えてます。
「ロックしようぜ! ってみんな言うけど、ロックには自分自身であり続けようぜって意味もあるんだよ」
だから、サラリーマンでも誰でも、私自身でいることがロックするってこと。
鮎川さんは陽子ちゃんを仕事場に連れてきたので、僕はずっと親しくしていました。陽子ちゃんはモデルで活動し、今は画家。最近、個展を開いた時に僕が気に入った絵を、7月発売の本の表紙に使わせてもらいました。両親に「娘さん、アーティストとして頑張ってるよ」という報告を兼ねて2人に捧げたつもりです。
今、映画「シーナ&ロケッツ 鮎川誠~ロックと家族の絆~」も話題。鮎川誠とシーナは家族と生きていくこと自体でロックしてました。そんなバンドは他にない。僕もこの先、ロックし続けたいと思います。
(聞き手=松野大介)
▽山川健一(やまかわ・けんいち) 1953年7月、千葉県出身。77年から作家活動。著書多数。現在、プロ作家を育てるオンラインサロン「私」物語化計画を主宰。
「物語を作る魔法のルール 『私』を物語化して小説を書く方法」(藝術学舎、発売・幻冬舎)を出版。