歌舞伎座vs新橋演舞場“新作歌舞伎”対決の行方…シリーズ化を期待したい「流白浪燦星」に軍配
歌舞伎座と新橋演舞場が新作歌舞伎で競っている。
新橋演舞場は『流白浪燦星』。こう書いて、「ルパンさんせい」と読む。モンキー・パンチのコミックのキャラクターを戦国時代に登場させる趣向。ルパンは片岡愛之助で、時々アニメ版のセリフまわしをして沸かせる。
もともと歌舞伎のキャラクターでもある石川五ェ門は尾上松也で、峰不二子は市川笑也、次元大介は市川笑三郎、そして銭形には市川中車で、それぞれ適役。他に、市川猿弥、尾上右近らにも見せ場が用意されている。大野雄二の音楽も流れて、盛り上げる。
歌舞伎の名作・名場面を適度に入れ込み、歌舞伎ファンを楽しませるが、といって、歌舞伎を初めて見る人も置き去りにしていない。舞台転換がもたつくなど、改良したほうがいい点はあるが、娯楽作として楽しめる。シリーズ化を期待したい。
■アトラクションの域を出ていない『今昔饗宴千本桜』
歌舞伎座の第一部『今昔饗宴千本桜』はバーチャルアイドル・初音ミクとのコラボ。「超歌舞伎」として、2016年から幕張メッセで上演されているシリーズの新作。