「紀州のドン・ファン」殺害事件 須藤早貴被告が有罪にならなかったら…
こちらの初公判はいまだにめどが立っていない。検察側の証拠資料が膨大で、その開示手続きに時間がかかっているともいわれるが、勾留から3年経っても裁判の期日が決まらないのは異常。素人目にも公判維持は大丈夫かと言いたくなる。
そしてもうひとつ、非常に重要な裁判がある。ドン・ファンが生前に書いたとされる遺言書について、親族がその無効確認を求めた民事訴訟だ。
その遺言書の内容は「個人の全財産を田辺市にキフする」とコピー用紙に赤ペンでなぐり書きのように書かれたもの。田辺市は資産を押さえ、一部の美術品などは売却されている。この訴訟のためか、田辺市は弁護士委託費用などで1億数千万円を使っているというからたいへんな訴訟だ。
田辺市への遺贈が仮に認められなかった場合、遺産は妻とドン・ファンのきょうだい4人の法定相続人に支払われる。訴えたのはきょうだいではあるが、妻が遺産の4分の3の権利がある。
もちろん、須藤被告が殺人で有罪となれば相続できなくなることは言うまでもない。とはいえ、先ほどの件に戻るが、須藤被告が有罪になるのか、いささか心もとない。
これからまた、ひと騒動になりそうだ。