木村拓哉は逆に演技がうまい! わざと「なにをやってもキムタク」を貫く役者魂
1990年代から第一線で活躍を続けるキムタク
【「残念プロフェッショナル」の流儀】
最新主演ドラマ『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)が高視聴率でフィニッシュし、かつての人気ドラマの映画版『グランメゾン・パリ』が今冬公開予定と、相変わらず絶好調の木村拓哉。
「『残念プロフェッショナル』の流儀」最新回では、1990年代から第一線で活躍を続け、主演ドラマが20作以上もあるキムタクをフィーチャー。彼について、コラムニストでカウンセラーでもある堺屋大地さんはどう分析しているのでしょうか。
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木村拓哉(俳優、51歳)
「キムタク」役を演じるプロフェッショナル
木村拓哉様は20年以上前から「美容師」「検事」「パイロット」といった数々の職業を演じてきており、近年も「ボディガード」「フレンチシェフ」を演じるなど、とにかくカッコいい肩書きの役は軒並み経験済。
しかし、です。
「なにをやってもキムタク」と演じ方が一本調子であると腐す人も多くおり、演技力が疑問視されているのも事実。アンチ層からは特に演技がヘタだと酷評されがちですが、筆者はそうは思いません。
むしろ木村拓哉様は超絶に演技が上手く、役者魂の次元が違うとさえ感じます。なぜなら、彼は“「キムタク」役を演じるプロフェッショナル”だからです。
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かれこれ何十年もずーっと演じ続けている
少々ややこしい話になるので説明していきましょう。
まず、みなさんは「キムタク」に対して、クールでスマートだとか、それでいて内に熱い漢気を持っているとか、ストイックで強い信念があるとか、兄貴肌で面倒見がいいとか、いつまでも若者気質を持っているとか、そういったイメージを抱いていることでしょう。
もしかすると、それらを彼の素だと思っているかもしれませんが、きっと違うのです。
木村拓哉様は、世間が抱いているそういったパブリックイメージのある「キムタク」というキャラクターを、もうかれこれ何十年もずーっと演じ続けている――筆者はそう推察しています。
そんじょそこらの俳優とは役者魂の次元が違う
SMAPとして歌って踊っているときも、歌番組やバラエティ番組でトークするときも、そして役者としてドラマ出演しているときも、「キムタク」という役を熱演している。
さらには仕事中だけではなく、プライベートで芸能人仲間や業界人仲間と接しているオフのときも、「キムタク」という役を憑依させている。
そう、彼は自分の人生を全て捧げて、「キムタク」というスターを演じ続けているのではないでしょうか。
この仮説にのっとって考えると、彼が出演してきた数々のドラマは言わば劇中劇のようなものということになります。
徳川家康や渋沢栄一を題材にした大河ドラマがあったように、「キムタク」の人生を壮大に描くドラマがあるとして、その物語のなかで主人公・キムタクは役者としてドラマ出演している。
つまり木村拓哉様は、劇中劇で検事やらフレンチシェフといった職業の役を演じているものの、そもそもベースとして「キムタク」というキャラクターを演じているわけなので、演技が一本調子だと揶揄するのは的外れ。
「なにをやってもキムタク」になるのは当然というか、そうじゃなきゃ演技プランとしておかしいのです。劇中劇と言えど、その都度で違う人物のように見えてしまっては、それは「キムタク」役を演じる役者として、ヘタクソだということにもなりかねません。
木村拓哉を貫く精神に感服!
大河ドラマ『キムタク』という作品内で演技にバラつきがあったらまずい。ずっと同じキャラを演じているのだから、むしろ一本調子にするのが大正解!
ですから「演技がいつも同じで飽きる」とか、「役者としての幅が狭い」なんてディスっていたアンチのみなさんは、木村拓哉様に謝罪してください。彼はあえて「なにをやってもキムタク」を貫いているのですから。
おわかりいただけたでしょうか。
木村拓哉様は、そんじょそこらの俳優とは次元の違う役者魂を持った“「キムタク」役を演じるプロフェッショナル”で、超絶に演技がうまいのです。
(堺屋大地/コラムニスト・ライター・カウンセラー)