著者のコラム一覧
石田純一俳優

1954年1月14日生まれ、70歳。早大商学部中退後、「演劇集団 円」の研究生に。88年、テレビドラマ「抱きしめたい!」で一躍、トレンディー俳優として人気を博す。私生活では3度の結婚。いしだ壱成、すみれら5人の子どもがいる。

窓辺に腰掛け、月を見ながら「俺は情けねえな」と呟いた

公開日: 更新日:

 ぽつぽつと仕事は増えているのに、モヤモヤする。何か迷いがあって集中できない。1980年代の後半はそんな悩みを抱えていた。確か、87年だったと思うが、田原俊彦さんの「ドラマ特番」に呼ばれた。その時、ちょっと風邪気味だったが、それほどでもないので、衣装合わせを済ませ、撮影現場に入った。すると、監督がいきなり、「こいつ、ちょっと、あんまりよくないから代えよう」と言い出し、降ろされてしまった。

 これは正直、ショックだった。衣装合わせまでして降ろされるなんて、ふつうではあり得ないからだ。やはり、自分の中の集中力の欠落が見抜かれていたのだろうか?

 ますますモヤモヤしているところに、忘れもしない87年の9月30日である。所属していた事務所、スカイコーポレーションの本間社長に呼び出されたのである。

■「役者を辞めて、マネジャーになりなよ」

 やり手の女社長で、事務所を立ち上げた時は建築家のご主人がいたが、その後、別れて、暴走族ブラックエンペラーを率いていた異色俳優、本間優二と再婚したことは以前、書いた。さすがに週刊誌ネタになったが、そんなことは気にしない豪快やり手社長である。ただし、ズケズケものを言う。初対面の時も顔を見るなり、「三浦友和のNGみたいな男はダメなのよね~」とケチョンケチョンだった。当時のご主人がとりなし、なんとか事務所に置いてもらったのだが、その本間社長が僕を呼び出すと、こう切り出してきたのである。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動