『ラヴィット!』に疑問の声。違和感たっぷりでもギャル曽根の「超ギャルル」を推すワケ

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コクハク

絶好調の『ラヴィット!』に疑問の声

「日本でいちばん明るい朝番組」をコンセプトに、平日の朝に笑いと情報を届けている人気番組『ラヴィット!』(TBS系)。

 開始当初は低視聴率ゆえに批判が多かったものの、ニュースやワイドショーから離れたバラエティ感が視聴者の支持を得て人気番組に成長し、根強いファンを獲得しました。

 8月24日には代々木第一体育館にて、豪華出演者が一堂に会する『LOVE IT! ROCK 2024』(以下、ラヴィット!ロック)が開催予定。そんな絶好調なはずの『ラヴィット!』に「令和のギャルル(仮)オーディション」の件をはじめ、最近の番組内容に疑問の声が上がっています。

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まるで『ASAYAN』 鳴り物入りで企画されたアイドル選抜
『ラヴィット!ロック』でお披露目予定なのが、木曜レギュラーのギャル曽根率いる「超ギャルル」です。「超ギャルル」は、ギャル曽根さんがかつて活動していた「ギャルル」の令和版として、1000人以上の応募者の中から選ばれたラヴィット発のアイドルユニット。

 つんく♂さんが楽曲制作などに関わり『ASAYAN』(テレビ東京系/1995年~2002年)さながらのオーディションが繰り広げられ、逐一その選考経過が番組内で伝えられていました。最終選考には元スタッフや、TikTokでも活躍する人気タレント、元ミス東大など個性豊かな面々も選出され、毎週彼女たちが3人ずつ出演するなど話題に。

 しかし、この「超ギャルル」プロジェクト、SNSでは「このコーナーいらない」「レギュラー陣だけでやるのかと思っていた」「なぜアイドルプロデュースなど余計なことをするのか」というネガティブな意見も目立っていたのです。

昨今の『ラヴィット!』に感じる置き去り感

 確かに、「超ギャルル」だけでなく、近頃の『ラヴィット!』は視聴者を置き去りにした内輪受けの企画が増えてきているように感じます。

 視聴者のコメントに目を向けると「オープニングはゲームばかり」「曜日ゲストもシーズンレギュラーも結局似たような人」「スタッフを表に出されてゲンナリ」などと辛辣な感想も。

 振り返ると番組開始当初からレギュラーがほぼ変わらず、最近は曜日ゲストも常連ばかり。マンネリ感は否めないでしょう。

 番組開始から欠かさず見ているラヴィットファンの筆者からしたら、それはそれで面白いとは思いますが…開始当初は定番だったスタジオでのグルメ紹介やラヴィットランキングが少なくなったことには物足りなさを感じています。

 またそのアットホーム感ゆえに、お約束的な空気の中ではじまる特定の芸人さんのいじりが少々キツいと感じることも。アイドルや芸人さんが何十万、何百万もする高級品を購入する企画も、どこか背伸びをしているようでヒヤヒヤ。さらに到底そんな高級品は手が出せない庶民の視聴者のなかには、夢を見るどころかドン引きしてしてしまう人もいるでしょう。

 しかしながら、その親しみやすさや学生時代を思い出すようなわちゃわちゃ感に、筆者も含め根強いファンがいるのも事実です。実際に『ラヴィット!ロック』はチケットが完売し、ラッピーマーケットやラッピーキャラバンなどのイベント時には行列ができるほどの大盛況、放送時には何かしらの番組内のワードがトレンドに入るほどの人気を保っています。

コンテンツ収入が存続のカギになる?

 一方で、『ラヴィット!』ファンの筆者は現状に一抹の寂しさを感じつつも、仕方ないことと受け入れています。

 昨今のテレビ番組は従来の、視聴率至上主義から映像販売や配信などの二次利用や、イベントやグッズ販売などの放送外収入が重要視されるようになってきました。すなわち、「広告収入に頼らず、いかにコンテンツとして利益を生み出せるか」という風潮になってきているのです。

 他を見ても、『ゴッドタン』のマジ歌ライブや『あちこちオードリー』(ともにテレビ東京系)のオンラインライブ、『有吉の壁』(日本テレビ系)のBREAK ARTIST LIVE THE FIRST。

 また、『アメトーーク!』や『相席食堂』(ともにテレビ朝日系)のサブスクサービスもそれにあたるでしょう。『ラヴィット!』においては、前述の『ラヴィット!ロック』などのイベントももちろんその一環です。

 視聴者から疑問を呈せられながらも結成された「超ギャルル」も、さらなる放送外収入での収益獲得を目論んでいることは、想像に容易い。

 アニメ業界などでは、放送外収入を得るためのイベントやグッズなどの多様な展開は当たり前のことであり、今に始まったことではありません。むしろ、イベントやアイドルプロデュースなど、コンテンツを最大限に利用するのは理にかなっていると言えるでしょう。

 ただ、純粋に好きなファンほど商売の匂いに敏感なもの。どんなに素敵なコンテンツでも、金の匂いがしてくるだけで冷めるという人も多くいます。「超ギャルル」の反応がさほど思わしくないのも、そういうところからくるのかもしれませんね。

番組ファンだからこそ、見守りたい



 番組が人気コンテンツに成長し、そしてさらに番組を続けていくためには、アイドルプロデュース、配信イベント、グッズなどの番組外での収入を生み出すための多方面への展開は必要なことなのかもしれません。

 賛否両論はありますが、「超ギャルル」はギャル曽根さん含めみんな可愛らしく、まだ素人っぽさも多少ある分、今後推し甲斐のあるアイドルだと思います。筆者は、顔も小さくてスタイルも良く、オーディションと比べてのずば抜けてあか抜けた最年少のひめめこと遠山姫禾さん15歳にすでに虜になっています。

 企画に疑問のあるファンもいるかもしれませんが、ラヴィットを応援するつもりで、「超ギャルル」も温かい目で応援してみることをお勧めします。

(小政りょう/ライター)

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