暴力金融に食い物にされ死期を早めた水原弘

公開日: 更新日:

<1978年7月>

 昨年末、日本レコード大賞を受賞したのは下馬評通りAKB48。2連覇を果たした。国内でもっとも伝統のあるこの音楽賞の初代受賞者は水原弘。デビュー曲「黒い花びら」で見事、栄冠を勝ち取った。1959年、水原が24歳の時である。

 一気にトップスターに上り詰めた水原だが、それから19年後、42歳という若さで亡くなる。78年7月5日午前7時29分。死因は肝硬変による食道静脈瘤(りゅう)破裂だった。

 異変が起こったのは6月23日。山口県下関市のグランドキャバレーのステージを終え、タクシーで北九州市に向かい、夜11時45分、市内のホテルにチェックインした。東京にいた夫人が水原に電話をかけると、話の途中で切れたのでフロントに連絡。係が部屋に駆けつけると、水原はブリーフ一枚の格好で出てきた。口の回りに血がついていたが、本人が「大丈夫」と言うので、ひとまず引き揚げた。

 30分後、マネジャーが部屋に行くと水原が見当たらない。バスルームのドアを開けると、便器を抱いて倒れている水原の姿があった。便器の中にはどす黒い血がたまっていた。すぐに救急車が呼ばれ、市内の総合病院に運び込まれた。重症患者用の個室に入れられ、面会謝絶のまま11日後、帰らぬ人となった。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末