肝臓疾患を苦に飛び降り自殺した元ガロ 日高富明
マークこと堀内護、トミーこと日高富明、ボーカルこと大野真澄の3人組で72年リリースの「学生街の喫茶店」大ヒットで知られるフォークグループ「ガロ」。73年の紅白出場など人気となったが、メンバー間の音楽性の違いから76年に解散した。
その後それぞれ別の道にメンバーは進んだ。堀内は一時、音楽業界を離れてオートテニス場を経営、大野はソロ活動の他、プロデュースやディレクター業も始めるなど、活動の幅を広げていった。
一方、日高はというと目指したのは本格的なロック。ガロ時代の楽曲が嫌いだったというのが理由だが、結局、その方向性が定まらず、一方でファンやレコード会社が期待したのはガロの延長線上にあるフォーク調の曲というチグハグな状況に置かれた。そして他の2人とは対照的に、長髪にジーンズの70年代スタイルのまま活動を続け、コンサートには客が1人しか入らないこともあったという。
回ってくる仕事は譜面の読めないアイドルが歌を覚える際に聴く、見本テープの吹き込みが主だったという証言も。ガロ時代は酒をほとんど飲まなかったが、解散後は酒量がどんどん増え、体中に斑点が出るほど肝臓を壊した。ついには食事も満足にできない状態に。