肝臓疾患を苦に飛び降り自殺した元ガロ 日高富明
86年9月20日午前5時過ぎ、夜間の交通取り締まりから署に戻る途中の警察官が東京・中央区の路上であおむけに倒れている日高を発見した。すでに死後硬直の状態で脈はなし。前夜の11時過ぎに「ドスッ」という大きな音が聞こえ、争うような物音もなかったという証言から、警察はマンション階段踊り場からの飛び降り自殺と断定。まだ36歳の若さだった。
現場は日高の自宅から1キロほど離れていて、なぜ、縁もゆかりもないマンションを死に場所に選んだのか、誰にもわからなかった。日高には結婚を前提で交際中の23歳の恋人がおり、一緒に住むための部屋を探している最中。事件当夜は恋人は日高宅にいたが、夜10時15分ごろ、日高はウトウトする恋人の耳元に「これからちょっと出かけてくる。すぐ帰ってくるから静かに待っててね」と囁いて部屋を後にした。
恋人は朝になって自殺を知らされ、23日の告別式では立つのがやっと。死の2日前に日高が買ってくれた赤いバラがまだ家に生けてあり「どうしても捨てることができません」と語った。
友人らからは「恋人がいるからまさか自殺するとは」と驚きのコメントが相次いだ。大野も「信じられない」と絶句。堀内も「あんなに明るかった日高がなぜ」と声を詰まらせた。