鬼束ちひろ 体調不良で一時活動休止
本来、オリジナルアルバムを出したいレコード会社だが、鬼束は声帯を壊して休養中。代わりに急きょ発売されたのが売り上げを計算できるベスト盤。04年3月に過去のシングル10枚、計30曲を網羅したボックス版が完全数量限定でリリースされた。
だが、商業主義を嫌うアーティスト肌の鬼束はこれに反発。「あくまでレコード会社が企画したものであり、本人の意向による作品ではありません」と異例のコメントを発表する騒ぎに。これが引き金となって、レコード会社と所属事務所の契約はどちらも解除となってしまった。
6月に新事務所へ移籍したが、トラブルは尾を引いた。
「音楽以外の仕事に疲れてしまったんですね。音楽以外のやりたくない仕事が苦痛だった。忙しさで自分の“王国”に帰る時間もなくなった」と語る鬼束は再び体調を崩してしまう。
結局、04年10月、出演予定だった音楽番組の収録をドタキャン。この騒ぎで新事務所との関係もこじれ、長期間の活動休止に追い込まれた。
休養中は「ほとんど死んでた」という鬼束。雑誌インタビューでは「休養なんて生ぬるいモノじゃないよね。音楽を作ることも歌うこともまったく思い出さなかった」と当時を振り返った。05年夏には花束を渡そうと自宅マンションに現れた男性がストーカー騒ぎを起こして逮捕。鬼束は交番近くのセキュリティーの厳重なマンションに引っ越している。