すっぽんぽんで…篠山紀信ベタ褒め 筧美和子撮影秘話
中森 彼女はシェアハウスを舞台としたリアリティーショー番組の出身。シェアハウスはカネのない若者が苦肉の策として選んだ住居スタイル。その若者文化から出てきた、現代を象徴するアイドルです。
篠山 中森さんとは一連の美少女シリーズでも一緒に仕事をしましたが、写真家は時代が生んだ被写体をいち早くキャッチして撮らなくちゃ、ね。
中森 栗山千明や吉野紗香、安藤聖、水谷妃里…。「少女たちのオキナワ」(97年)では山田優、まだ誰も知らない満島ひかりも撮っているわけですから、本当、凄い。
■「表現のためなら脱ぐ」アイドル減った
篠山 70~90年代の「激写」のころは、アイドルも「表現のためなら脱ぐ」と平気で考えていたし実現もした。今の女のコたちも一定数は昔と変わらず、有名になりたいという野心を持ち、脱いだって構わないと思っているんですよ。ただ、社会の仕組みが彼女たちを萎縮させている。
中森 おかげでグラビア写真がどんどんつまらなくなっています。印刷メディア全体が元気がないといわれ、衰弱し、閉塞感が漂ってる。ネットという新しいメディアに対しても諦めムード。でも、衰弱の根本はそこではなくて、編集者の怠慢、事務所の過剰ガード、モデルの萎縮というような自己規制かけまくりの構図ではないかと…。