推定530万人 COPD(慢性閉塞性肺疾患)に新リハビリ
すると息苦しさが増してより動かなくなり、さらなる身体機能の失調や低下につながる。まさに、負のスパイラルだ。
「それを断ち切るために下肢の筋力アップを目指すリハビリが非常に有効であることは、さまざまな研究で明らかになっています。12段階の息苦しさの目安のうち、3~5段階、つまり〈息苦しい〉から〈大変息苦しい〉までは頑張ってもらうのですが、現実的には難しい」
これを乗り越えれば生活の質が上がると説明しても、ギブアップしてしまう患者も少なくない。そこで目をつけたのが、WBVだった。
円形の器具の上の長方形の板が、イメージとしてはシーソーのように、真ん中を中心に上下に動く。1秒間に20~24回(目安。調整可能)という小刻みな動きだ。
「長方形の板の上に患者さんに立ってもらいます。板の上下の動きに応じて、自然に筋肉は伸びたり縮んだりという動きをします。これが筋力アップ、そして運動能力の向上になるのです。血流も非常によくなるので、乳酸がたまりにくい。乳酸は疲労や息切れの原因になります」