子供の食物アレルギー 6歳からの「食物経口免疫療法」で治す
子供の食物アレルギーの治療で注目されているのが「食物経口免疫療法」だ。うまくいけば、食物アレルギーと手を切れるかもしれない。しかし、間違った考え、やり方も横行している。昭和大学医学部小児科学講座・今井孝成講師に聞いた。
食物経口免疫療法について「食物アレルギーは、食べて治す」などと表現される場合がしばしばある。医師の口から発せられる言葉に、親たちは信じて飛びつく。しかし、食物経口免疫療法は安易にやってはいけない。重篤なアレルギー症状が誘発されるかもしれないのだ。
まずは、食物アレルギーの診断方法から説明しよう。食物アレルギーは、原因となる疑いのある食物を少量ずつ食べ、アレルギー反応が出るかどうかを見る「食物経口負荷試験」で確認する。
「血液検査や皮膚検査で食物アレルギーを診断できる」と思っている人が、医師も含めて少なからずいるが、これらの検査は診断の可能性を探るだけで、最終的な診断には結びつかない。
「血液検査などで陽性と出ても、食物経口負荷試験で陰性(食物アレルギーではない)と出ることは珍しくありません」