小林麻央さん約2年継続 乳がん抗がん剤治療を詳しく知る
細胞の表面に「HER2タンパク」発現のあるタイプの乳がん(全体の2割程度)は、分子標的剤「抗HER2薬」を抗がん剤と併用することで、治療効果が大幅に高まることがわかっている。そのため、再発予防として分子標的薬のハーセプチンを1年間投与するのが標準だ。再発が見つかって治療する場合でも、抗HER2治療薬を抗がん剤と併用する。ただし、患者のがん細胞にHER2タンパクがある場合でなければ効果はない。
「また、再発治療の場合には、投与した抗がん剤が効いていても、時間が経つと必ず効かなくなってきます。その段階で違う種類の抗がん剤に変更しますが、それで効果がみられても、やはり時間が経つと効かなくなります。4~5回変更して効果がみられなくなると、その後は抗がん剤の効果が得られる可能性が低くなるため、緩和ケアに移行するケースが多い」
「進行乳がん」という場合、2つの意味がある。それが「進行再発乳がん」なら通常はステージⅣであることを意味し、治癒は望めない。一方、早期乳がんに対して「進行乳がん」という場合はステージⅢも含まれ、根治も可能だ。麻央の乳がんがステージⅢだとすれば、抗がん剤が効いてがんが縮小し、早い段階で手術できるようになることが期待される。