肺がん手術を受けられる患者は意外と少ない
■男性には厳しい状況が続く
2012年の1年間に見つかった新規患者は11万3000人ほど。女性1に対して男性2.1という割合です。また2014年の1年間の死亡数は約7万3000人、男性のほうが約2.6倍も多く亡くなっています。
手術件数は2014年度の数字。開胸手術が約8000件だったのに対し、胸腔鏡が約3万9000件と、全肺がん手術の83%が胸腔鏡手術で占められています。
肺がん手術を受ける人の大半は新規患者、しかも2度、3度と肺を切る人はほとんどいません。
もっとも注目すべきは、新規患者数に対して手術件数が少ない点です。2014年度の新規患者数は、過去の増加率から計算して男性約8万人、女性はほとんど変わらず3万6000人、合計11万6000人と推計できます。すると実際に手術を受けた(受けることができた)人は40%、しかも男性ではわずか35%にすぎなかった計算になります。
残りの60%(男性では65%)の多くは、遠隔転移や体力的な理由などで、手術ができない状態だったことになります。
「肺がんは治る病気」と言われるようになりましたが、特に男性には、まだ厳しい状況が続いているのです。