著者のコラム一覧
名郷直樹「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

少しずつ、イロイロがいい 日本人の食事は栄養的に世界一

公開日: 更新日:

 診療中、患者さんから「食事はどんなことに気を付ければいいでしょう」「何を食べたらいいでしょう」「食べないほうがいいものはありますか」というような質問をたくさん受けます。しかし、個別の状況では、なかなか容易に答えられないのが現実です。

 ただ、日本の一般的な状況ということであれば話は別です。日本は今や世界一の長寿国ですが、その背景の一つには「健康に良い食事」を取っていることが挙げられます。つまり、平均的な日本人の食事や栄養は、世界で一番ということかもしれません。世界は日本の食事を見習って、もっと健康に……と考えたりしているのです。

 寿司が世界的にブームになっている背景には、寿司がうまいというだけではありません。「健康に良い」というイメージが大きく関わっています。ただ、現実には寿司ばかり食べていれば健康になれるわけでなく、寿司を含めた日本食全体が良いのです。だから、日本食の中の何が良いかという質問は、実は適切ではありません。

 その「全体的な日本食の良さ」とは、どういうことなのでしょう。一言でいえば「和洋折衷」ということになるでしょうか。あるいは「何でも食べる」というふうに言ってもいいかもしれません。幕の内弁当を思い浮かべてみましょう。少しずついろいろな食材が入っています。この「少しずつ」「いろいろ」というのが日本食のいいところです。

 ただ、幕の内弁当には少し西洋の要素が足りないかもしれません。これに洋食の料理が加われば、和洋折衷の健康に良い日本食というイメージです。ただイメージであって、毎日、幕の内弁当だけを食べればいいというわけではないので、ご注意を。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    佐々木朗希を徹底解剖する!掛け値なしの評価は? あまり知られていない私生活は?

  2. 2

    江藤拓農水相が石破政権の最初の更迭大臣に?「隅々まで読んだ」はずの食糧法めぐり“逆ギレ誤答弁”連発

  3. 3

    「相棒」芹沢刑事役の山中崇史さんが振り返る俳優人生…地下鉄サリン事件「忘れられない」

  4. 4

    吉幾三(5)「お前のせいで俺と新沼謙治の仕事が減った」

  5. 5

    みのもんたさんが自身のスキャンダルで見せた“類まれな対応力”…明石家さんま、石田純一との共通点

  1. 6

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 7

    大阪・関西万博もう間に合わず? 工事未完を「逆転の発想」で楽しむ方法…識者が皮肉たっぷり提唱

  3. 8

    日本代表FW古橋亨梧の新天地は仏1部レンヌに!それでも森保ジャパン復帰が絶望的なワケ

  4. 9

    維新は予算案賛成で万々歳のはずが…ゴタゴタ続きで崩壊へ秒読み 衆院通過の自民はニンマリ?

  5. 10

    松坂桃李「御上先生」第7話2ケタでV字回復へ 詩森ろばの“考えさせる脚本・演出”はTBS日曜劇場からの挑戦状